株式会社カワベは1969年、私の祖父・川辺清が興した会社です。
当初は自動車の金型部品を受注生産していましたが、やがて価格競争からの脱却を図るため、1986年に大型マシニングセンタを導入。国内有数の大物加工という強みを発揮し、好景気の波と共に事業拡大していきました。

当社は県内メーカーからの受注を確実にこなすことで事業存続してきましたが、2008年、リーマンショックの影響で深刻な経営難に陥ってしまいました。
祖父は東海方面へと新規開拓を挑みましたが、行く先々で技術レベルの差を痛感。すぐに受注を獲得することはできませんでした。そこで新たな人材採用と教育に着手し、オリジナル工具の開発や検査道具の拡充に取り組むなど、設備の修理、保守や加工などの技術レベルの向上に励みました。その結果、新たに航空機関連部品や特殊金型の受注を獲得。さらに半導体洗浄装置の部品加工も始まり、今では一部上場企業およびそのグループ会社との直接取引が安定し、無事、創業50周年を迎えることができました。

今、産業界では自働化、省力化、無人化に向けた生産現場の再構築が進んでいます。当社ではこうした変革の波に乗り遅れることなく、事業拡大に取り組んでいきたいと考えています。そのために不可欠なのが技術力の向上と継承です。個々の技術を磨き、ベテランの技術を若手に継承していくことこそ、メーカーが生き残る術だと確信しています。

そして当社はこれからも、町工場ならではの柔軟かつ迅速な対応でお客様から求められる企業、地域に貢献できる企業を目指してまいります。また、社員一人ひとりがやりがいと誇りをもって働ける職場づくりにも取り組んでまいります。

今後ともご支援ご愛顧いただきますようお願い申し上げます。

代表取締役社長　川辺　博己